ソフトウェア業界の現実~10年後今の仕事をしていますか?
ソフトウェア業界の現実
では、現実はいったいどうなんだろう。
派遣会社化する中小企業
どこの会社もそうだろうが、社内にいる人間というのは、高齢者と管理職だらけになっているのが実情である。
なぜなら、昨今のセキュリティの問題が社内での受託作業を阻害している。
受託作業になるとドキュメントやデータも顧客先から持ち出さなければならず、顧客が了承しなければ客先から持ち出すことはできないため、仕事が割り当てられない社員に手っ取り早く仕事を割り当てることを考えると客先での作業となることがほとんどだ。
そうなると年齢が高い社員は、当然外れ若い世代のみでメンバ構成せざるを得なくなる。
そうでなくても客先常駐ともなれば、年齢はせいぜい~45歳までとなり、それより高齢者は経験者でない限り客先常駐は不可となる。
そのため、今やIT関連の中小企業は派遣会社のような状態で、顧客先、取引先での常駐作業がほとんど8割を占めていると言っても過言ではない。
帰属意識の低下
外部に人を出すことで、会社は人の増減により売上を見込める。また、プロジェクトの失敗のリスクからも回避される。
何故なら、受託作業は、納品まで責任がありますが、要員を取引先や顧客に貸し出す場合はそのほとんどが委任・準委任契約になり相手先の指示で作業を行うため、スケジュール管理、進捗管理も取引先や顧客が主導で、成果物に対しての責任は問われない。
ですが、社員にとっては、社内で作業することが一番だとは言いませんが、外ばかりだと会社のことを何も知らず、いろいろな他の社員と会話して得られることもあります。
それが難しくなります。
入社10年目の中間層や積極的な人ならいざ知らず、そうでないのが普通です。
また、一部のリーダに管理が任されるため、目が行き届かないケースが出てくる。
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何故なら、リーダも自分の作業があり、顧客の目を気にしながらの管理になる。
そういった環境での教育、指導、管理となるため、リーダへの負担が必至となり、全員まで配慮ができなくなる。
外部で作業している社員は、月に1回帰社すれば、いい方でほとんど戻らない社員も存在する。
そういった環境での教育、指導、管理となるため、リーダへの負担が必至となり、全員まで配慮ができなくなる。
外部で作業している社員は、月に1回帰社すれば、いい方でほとんど戻らない社員も存在する。
一旦外に出てしまえば、席がなくなる会社もあるため、帰社しても座る席さえない。
常駐しているため自社の社員とのコミュニケーションが取りずらくなり、自分の会社がどこかわからなくなってくる。
会社として教育も行き届かなくなり、常駐先の作業方針で仕事をこなしそれが経験として蓄積され、教育もほとんどなく先輩から指導もないまま40代を迎える社員が少なくない。
会社の方針もあまり理解できず、会社の一員としての帰属意識がだんだん薄れ、モチベーションも下がってくる。
こんななか目まぐるしく変わり続ける技術革新に常にアンテナを張り巡らし、日常のストレスに晒され、日々会社・自宅を行き来している人がたくさんいる。
IT業界は華やかな職業とよく言われるが、私が思うに「スーツを着た土方」だと思っている。
IT業界は華やかな職業とよく言われるが、私が思うに「スーツを着た土方」だと思っている。
華やかに見えても本当は、土方のように日々の雨風というストレスに晒され、毎日遅くまでパソコンと睨めっこする地味で泥臭い仕事だという意味だ。