ソフトウェア業界の動向~10年後今の仕事をしていますか?
ソフトウェア業界の動向
技術革新の波
総務省の日本標準産業分類において、情報通信業には通信業、情報サービス業およびインターネット附随サービス業の分類があるが、ソフトウェア業界はその中の情報サービス業に位置付けられる。
例えば、企業の業務ソフトの設計・開発を行うソフト会社、スマートホン等で皆さんが使うアプリケーションやゲームソフトを設計・開発する会社等である。
ハードに関して言えば、ここ30年で様変わりしている。
汎用機(大型・中型コンピューター)が主流だった時代から今では汎用機で業務処理を行っている企業は、金融系を除けば、ほぼ皆無となっている。
汎用機時代に主流だったIBMがパソコンの時代に変わりMicrosoftにとって代わり、今やパソコンOSのシェアの9割近くを占めている。(2016年12月の世界におけるデスクトップOSシェア(出典:NetMarketShare))
1980年代は、汎用機の時代のため機械を使う仕事は、その場所に行かないとできなかったが、今やパソコンが一人一台の時代になり、オフィス内の机に処せましと置かれている。
作業のやり方も一遍している。
上流工程での作業はほとんどが机上での作業でプログラム製造・テスト工程で機械を使う作業となっていたが、今やすべてがパソコン上で作業可能なので、一日中席に座ってパソコンと睨めっこの状態である。
将来への不安
つい先日、あるホテルの紹介をテレビで拝見した。
人の従業員はベッドメーク等9人のみで他の仕事は、全てロボット180台で運営しているという世界初のロボットホテルだ。
少し驚きだった。こんなに早く・・・
人にできる仕事をロボットで行い、究極の生産性を追い求めた結果である。
この放送を見て、ソフトウェア業界にも10年後にはロボットが・・・?
上記のロボットホテルと同様、この先、人にしかできない仕事とロボットができる仕事で選別し人の仕事がどんどん減っていくだろう。
何故そんなことが必要なのか?
■利益の追求のため、生産性を上げる。
■少子高齢化により労働人口が減っていくため、それを補う技術革新が必要になる。
■大規模な大量データの処理やパターン化された作業、これらは人間では時間がかか りロボットの方が格段に速い。
■人より、誤りが少ないため品質確保に繋がる。
といった具合にソフトウェア業界を取り巻く環境は、目まぐるしい変化を遂げてきている。
逆に人でないと難しいのは、即時に判断できず、頭を使い試行錯誤しながら行う作業のため上流工程の要件定義、基本設計、詳細設計の設計工程である。
10年後、20年後に進化したAI(人工知能)がどこまで躍進をするのか、ロボットの活用は、映画の世界の話ではなく今や現実となっている。
ソフトウェア業界も生産性を追求する業界だ。どこかのITベンダーは、既に着手してるかもしれない。
ソフトウェア業界いやIT業界に限ったことではない、既に記載したロボットホテルのように様々な業界に波紋を広げ、人の雇用を奪うことになるだろう。
外国人問題
もう一つの問題が外国人の問題である。少子高齢化により65歳以上の高齢者の人口は、0~14歳人口の2倍となっている。
2016年経済産業省の調査によると、「IT人材数は現在91.9万人に対し、17.1万人不足している。2030年には78.9万人不足も予想される」との事だ。
では、雇う側のIT企業やソフトウェア企業は、どのような姿勢なのか?
最近のハローワークの情報を見てみると、2016年末に出ていた求人が3ヶ月経ってもまだ掲載されているというのが実態である。
まさに企業側が求めているスキルの人材に中々出会えないで継続的に同じ求人が存在するということだ。
そこでIT業界の人材不足を懸念し、国が人材を確保するために外国人IT技術者の受け入れを推進する政策が加速している。
比較的簡単な作業は、日本人から外国人へ取って代わられる可能性が非常に高くなっている。
現時点では、あまり頻繁には聞いたことはないが、少しずつ現実という波が押し寄せてきているのは間違いない。